アルベロベッロ 1

とんがり屋根の メルヘンチックな町 


アルベロベッロ… 

舌を噛みそうな、妖怪人間を思い出すような (例えが古すぎ?)   とにかく奇妙な地名ですが、 

その意味は、Albero (アルベロ)=木、 Bello (ベッロ)=美しい、 直訳すると 「美しい樹木」 

アルベロベッロに そんなに美しい木があるかって? ん~ なくはないかもしれません… 


例えば 周辺に広がる オリーブ園では、樹齢の古いオリーブの樹々が 大地に根を下ろしています 


サクランボ園では、春になると 見渡す限りの 桜  桜  桜 それはそれは見事です 🌸 🌸 🌸


んんん…  しかし 上記はいづれも 農園であって 「美しい樹木」 とは違う ?! 

なんでもその昔、美しい樫の林があったことから 名付けられた ともいわれています  


ともあれ “アルベロベッロ” の 代名詞といえば  “とんがり屋根のメルヘンチックな町” ですよねぇ~ 💛


高速道路を外れ、アルベロベッロに向けて、左右に広がる農園を 眺めながら 走っていくと、 

道路の境界に 低い石垣が 目に付き始めます 

この石、この辺りの地を掘ると ゴロゴロ出てくるんですよ !  

ゴロゴロ出てくる石で 垣を築いただけという 簡単なものですが、利用価値高いですよネ! 

(ふと 沖縄地方の サンゴの石垣を 思い出しました) 


そうこうしているうちに 農園に点在する とんがり屋根のトゥルッロが ぽつぽつ見えてきました

(トンガリ屋根の家、伊語で Trullo トゥルッロ (単数)、Trulli トゥルッリ (複数) と呼ばれています) 


「あーっ! あれがテレビや雑誌で見た トゥルッリだぁーっ! 可愛い~ 💛」  

どんな人でも 思わずニヤけてしまう (*^_^*)  とんがり屋根のメルヘンチックがなせる業?  

こちらはほどんど 子供の遊び場と化していますが… (^^;)

 

この農園トゥルッリもまた この地方で採掘された 石灰岩で造られているんですよ 

納屋または休憩所として 建てられたものですが、建設費も時間も 節約できて 一石二鳥ですね !


イタリアの 昔の家屋って 家を造る石や土 (煉瓦) の材料も みーんな地産なんですよね 

だから その地方の 石や土の色によって、建てる家も、町の色も、独自の風合いを醸し出しています 


さてさて、肝心のアルベロベッロの町ですが、今みたいに観光地ではなかった その昔 

16世紀頃、農地開拓の為に 移住させられた 農民たちのトゥルッリ集落が 建てられたことによります


なんで こんな形をしているかといえば

一説によると、プーリア地方南部では、先史時代から用いられている 建築技術で、

15~16世紀のスペイン支配時代(税の取り立てが厳しかった時代) 

漆喰モルタルを使った家のみが 課税されるというので

(法の網目を潜って?) モルタルを使わない、ただ石を重ねただけの家を建て

ある日 徴税人がやってくると すぐさま屋根を解体してみせたとか~  


で、このトルッリ、どうやって造られているかといえば

壁には 大きなブロック石を 円筒状に積み重ねていき、表面は漆喰仕上げ、その壁の厚さは なんと 1m! 

一方、屋根部分は 2重構造になっており、内側には 少し小さめの 壁同様の石を、

外側には Chiancarelle (キアンカレッレ) という 水平に剥がれやすい石を、

垂直方向に 少しづつ前面に出すように 円錐形に積み重ねていくと、円錐形の屋根の 出来上がり!

そして最上部、要の部分に 「ピンナコロ」 と呼ばれる 飾り石を載せて完成!

部屋1つに対して 屋根が1つ、これらが 幾つか連結して1軒の家となる

つまり 屋根の数だけ 部屋の数がある ということですね!


それにしても 灰色の屋根石と 白い壁石、同じ石灰岩で どうしてこうも色が違うの?

逆に 屋根のほとんどは 灰色なのに、時々 白い屋根を見かけるのは何故?


それは 同じ石灰岩でも 採石される地層の深さで 質が異なるのと、

屋根石は、長い年月 雨風にさらされた結果、 灰色に変色してしまったのです


確かに 最近 修復されたばかりの トゥルッリの屋根石は 白い!

それは 最近 掘り出した & 切り出した ばっかりの石 だからなんですね~

それもやがて 数百年という長い年月をかけて 灰色に変色していくのだそうです

なんだか気の遠くなりそうな話ですが、おとぎの国にも 長い歴史があってのことだと 痛感させられます


今 このトゥルッリを造る職人さんが どんどん減っていて、修復維持にも支障を来しているとか…

これまた 長い歴史と文化、それを継承することの大変さを 改めて感じさせられますね


とはいえ やっぱり トゥルッリの家は 可愛らしい  💛


トンガリ屋根に描かれている 絵もまた 可愛いモード上昇 ♡💛

これらの絵には 原始的、魔術的、宗教的などの意味があるのだそう 

今現在 ここには 約1500軒ほどのトゥルッリが残っていて、それらは 1996年 世界遺産に登録されました


次回は トゥルッリの 内部を 覗いてみましょうね!

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