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ポリニャーノ ア マーレ

断崖絶壁の 白亜の海の町


ブーツの形をしたイタリアの 踵の部分  プーリア州に行くと 

「山がちで平地が少ない~」という イタリアの印象を 覆すように 

真っ平らな土地が 延々と続いていることに 驚きます 

高速道路もひたすら真っ直ぐで、ついついスピード出し過ぎてしまいそう 🚗


「プーリアのテーブル台地」といわれるのも納得! 

どおりで ここには 広大な 農地が広がり 農作が盛んなわけです

(小麦、葡萄、果樹、野菜、そして酪農、家畜…)   

🍇  🍒  🍎  🍐  🍑  🐄  🐖  🐑  🐏 


そんな広い大地に 点在する 田舎町は いづれも白亜の町で、 

それらを 目の当たりにすると 最南イタリアへ 来たんだなぁ~と 実感します 💛 


一方 海岸線は、ビーチは少なく、白い断崖絶壁の岩肌が 目に付きます 


ここ ポリニャーノ ア マーレも、

海に突き出た 海抜 25m の 断崖絶壁の岩盤上に 町が形成されており、

さながら天然の要塞のよう 


いつもこんな風に穏やかなわけではなく、荒れ狂う波が押し寄せる日も…

そんな光景を見ていると  いつか朽ち果ててしまう日が来るのかな~などと

余計な事を思ったりするのでした


方向変わって、上記の景色を眺められる 海岸線の手前には、

この町出身の 有名な歌手 Domenico Modugno の像が!


そんな人 知らないって? でも 歌は知っているでしょう?

ヴォ―ラーレ― おぅおぅ カンタ―レ おぅおぅおぅ ♫ 

世界的にも 余りにも有名な歌ですね


「Nel Blu Dipinto Blu 」直訳すると「碧く塗られた青の中」

ヴォラーレ Volare = 飛ぶ、舞う 

この Domenico Modugno も、如何にも 風に舞ってる感じ  🐦


続いて、旧市街に行ってみましょう!

日中はとても静かで、ここが賑わうことがあるのかな~と思うほどです


城門から少し歩くと、町の中心の広場

そこには宇多田ヒカルちゃんが挙式した教会、サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂が建っています


そこから更に奥へと進むと、迷路のような 路地裏には、

可愛らしいお家の 階段や扉に書かれている ポエムが 目に付きます


そして 突き当りには 海が開け、先ほどとは 逆の光景が 見えてきました


夏になると、この辺りは 海水浴する人達で溢れかえります


そして ここでは なんと 毎年 飛び込み競技の大会が行われます

飛び込む人も凄いけど、それを見守る 観客群衆の様子も 凄いでしょっ!


さあ そろそろランチタイムにしませんか?

この辺りは 新鮮な魚介類が 割とお手頃価格で食べれるのも 魅力 🐠 🐟 🎣 🐡


そうそう!

近くの 洞窟レストランは 余りにも有名ですが、 

テーブルチャージだけで €20 のうえ、最近は 味も落ちたとか… 


あまりネガティブなことは 言いたくないけど

洞窟レストランでなくとも 海の幸が美味しい レストラン いっぱいあります!


アルベロベッロ 5

トゥルッリの宿

アルベロベッロに宿泊するなら、一度は トゥルッリの宿に 泊まってみたいもの!

トゥルッリの宿にも さまざまなタイプがあり、こんなはずじゃなかった💦 なんてことにならないように

ここで 幾つかの例を 紹介してみたいと思います


<アルベロベッロまでの交通手段>

国鉄や長距離バスなどを 利用する場合

荷物のことを考えると それらの駅や 停留所に近い方が 便利なのは 言うまでもありませんが、

それでも 旧市街に宿泊したい方は、頑張って歩く、タクシー、宿の送迎、などに頼るしかありません

一方 車利用の場合 (送迎車、レンタカー)

旧市街の広場は、基本的に乗降のみで 駐車は出来ず、滞在中 有料駐車場を利用することになります

広場すぐ近くの駐車場、そこが満車状態なら 数百m 離れた駐車場に~

いづれにしても 歩くのは必須で、特に坂道は付き物ですから 荷物は小さく軽く!

スーツケース ゴロゴロってのは、ちょっと・・・(*_*; です


<旧市街にある トゥルッリの宿>

ほとんどの宿が、旧市街中心の広場 Largo Martellotta (マルテロッタ広場) から 歩いてすぐのところにあります

広場を底辺として その左右に広がる丘上にトゥルッリが広がっています

広場から丘に伸びている 通りであれば 分かりやすいですが、一歩入った所となると 少し迷うかもしれません

 

そして、宿の住所が、宿泊する宿そのものの住所なら良いのですが、

実は事務所の住所で、そこで 一旦チェックインした後、

その事務所が 持っている 幾つかのトゥルッリのうちの 1軒に 案内されることもあります

必死に探して やっと見つけたと思ったら、また荷物持って歩かなきゃいけないの~? って思うかもしれません


トゥルッリの内部は千差万別ですが、大体が 玄関の扉を開けると リビングがあり、

その付近に キッチンや ベッドルームがあったりします 仕切りは ほとんどないです

ベッドルームも 1つタイプから 複数ある ファミリー用もあります


可愛いトゥルッリの宿 💛 

でも宿泊する以上、可愛いだけではダメ、機能的でなければいけません


肝心のバスルームといえば… これが 貧相なものが 割と多いのです

バスタブ付きは ほとんど無く、シャワールームも カーテンだけの 簡素なものだったりで、

しぶきが 外部にかかったり、流れていく水が 床を濡らしたり…と なかなか大変💦

それに ほとんどが電気温水器で、タンクにある温水分しか お湯が使えません

日本と同じように シャワーをガンガン使っていると 突然 冷たい水に ⛲ ぎゃーーーっ 


それと… 室内が かなり寒いんです ⛄ 

全てが石作りで 天井が高いせいか、暖房を付けても なかなか温まらない ☃ 

寒がりな方にはかなり辛い?


なんだか ネガティブなことを連ねてしまい 宿経営の方には 申し訳ないのですが、これが実情なんです

そんなこと問題にしない方、1泊くらい我慢できる方 には へっちゃらですが、そうでないとちと厳しいかも~


予約する際は、この辺りのこと よーく吟味してから 決めてくださいね


<農場ホテル Masseria>

農場ホテルとは、もともと農家&農地として使っていたものを、宿&庭に改造したものです

旧市街でない ホテルであっても トゥルッリタイプの宿なので、気分を満喫できます

また 旧市街に比べ インフラ設備が整っているので、お湯や暖房についても あまり心配する必要なし!

お庭も広いので、朝夕の散歩も気持ちいい!


<旧市街近くの 農場ホテル>

旧市街から 歩5~10分のところに、新しく 農場ホテルがオープンしました

出来たばかりで 真新しい & 綺麗 & 清潔、そしてオーナーの こだわりと もてなしが 随所に感じられ、とても快適に過ごせます


鳥獣調教師のオーナーのこだわりとして、毎日 午後 鷲や鷹のショーが見れたり

たくさんの動物 (🐎、🐑、🐐、🐔) と戯れられる 💛


内部の方は

まずは ベッドルーム 真っ白なリネンと ふかふかの羽毛布団が気持ちよさそう!

天井の 小さな穴から入る光が、内部が明るく照らし出されます

夜は星も見えるかな?


バスルームもお洒落!

天然の石をくり抜いて作った洗面台

手作り木製 タオル掛け


夜も 美しく浮かび上がる 白壁と庭


とてもお勧めのホテルですが、決して安くはありませんので あしからず (^_-)-☆





アルベロベッロ 4

町の顔

この御夫婦、いつ来ても 2人仲良く座っている姿を 拝見します

皆さんも この町を訪れたら、きっと目にするに違いありません

身勝手なことを言えば、永遠にこの光景が続きますように~


サンタントニオ教会  教会までもが トンガリ屋根の トゥルッリ様式!


西の空が赤く染まる頃、昼間とはまた違った顔を見せてくれます


お土産屋さんも遅くまで開いてて、人混みが静まった中 ゆっくり品定めできます (^。^)y-.。o○


おとぎの国の夜は すっかり静まり返り、邪魔してはいけない雰囲気・・・

家中に まるで 7人の小人でも 居るかのよう 💛

アルベロベッロ 3

トンガリ屋根の トゥルッリ職人 

トゥルッリの 屋根敷きなどを手掛ける 職人さんの数は、年々減る一方で

現在その数 わずか数人だとか…


そのうちの1人、Vito (ヴィート) さんは、工房を持っていて、ミニチュア版トゥルッリを作っています

真っ白な石灰岩を 家の大きさに合わせ 切り刻んでいき、壁と屋根を 積み上げていきます

慣れた手つきで、大小 様々な大きさのトゥルッリを作っていきます


3つ屋根付きの こんな大きな家も!

中には 内部構造が覗けるものも…

本物のトゥルッリと同じように 屋根が2重構造になっているので、本物を知る上で とてもわかりやすいですね


大きいのを作るのは さぞかし大変かと思いきや、小さい方が難しいのだそう

円形が小さい分、カーブを計算して 石を切り刻む必要があり,

また 細かくすればするほど 崩れやすくなるので、より技術が必要なのだとか~

なるほど~~~ 


さて 工房内には 彼の作った 大小さまざまなトゥルッリが、所狭しと 飾られていますが、

値段が安いものもあれば、かなり高いものもある その違いは?


それは 大きさに比例するだけでなく、

値段の高いものは、本物のトゥルッリを 修復する際に使った 石の余材を利用していて

特に 灰色の屋根石は、何百年も雨にさらされないと この灰色にはならないことから、近頃は 希少価値が高く、

白い石灰岩とは材質が違うので、こんなに薄く&細かくするのに もっと技術を要するのこと


一方、安いものは、普通の白い石灰岩に 屋根の部分だけ 灰色に塗っているのだそうで

そういわれれば & よく見れば 全然違うことに気付きました!


やっぱりここは、子供騙し的な安物でなく、大人も納得できる 本物志向でいこうじゃないですか!

井戸もあれば、オリーブの樹木への 坂道がまた 心憎い 💛

天然の石だから、水をかけたってへっちゃら ⛲ 盆栽感覚で 家の外に飾るのも良いかも~


そうそう、このトゥルッリ作りを学びたいと、Vitoさんとこに 弟子入りした日本人の方がいるんですって!

弟子入りまではいかなくとも、ちょっと試してみたい方、Vito さんに訊いてみては? 

快く受け入れてくれるはず !?


アルベロベッロ 2

トンガリ屋根の メルヘンチックな町


アルベロベッロの 代表的なトゥルッリ集落は、2箇所あり

マルテロッタ広場の 南の丘に広がる Monti (モンティ) 地区と、

広場の 東の高台に広がる Aia Piccola (アイア・ピッコラ) 地区です  


Monti 地区は 丘の斜面にトゥルッリが 林立していて、遠くからの眺め:パノラマが 素晴らしい 🌟


トゥルッリのほとんどが、土産屋さんや B&B として利用されており、

多くの観光客が往来する とても賑やかな地区です

青い空に 眩しいばかりに輝く 白いトゥルッリが、いかにも 南イタリアらしい 🌞🌞🌞

これぞ イメージしていた通りの おとぎの国 💛


一方 Aia Piccola は、Monti と 道路一本 隔てただけとは 思えないくらい 静かで 

ひと昔前の 素朴なアルベロベッロに タイムトリップした気分です 


空き家になって 随分 年月が経つのでしょうか 朽ち果てたような トゥルッリも 所々 見受けられますし、 

土産屋などなく、閑散としているあたり 一見 寂しそうではあるけれど、

まだまだ 普通に生活している 家も多くあるので、本当の意味で 生活感が感じられます

Monti 地区の 喧騒街とは裏腹に、時が 静かに & ゆっくり流れて行く~~~

そして これが本来の アルベロベッロの 姿なんだなと気づきます  (*_*)


さて今日は、トゥルッリの 内部を 覗いてみましょうか! 

何処で覗くのかって? 心配ご無用!  

散策中 自分は有名人か?ってなくらい 声かかりますから~ (^^;)

「トゥルッリの家屋内 ご覧に入れますよ どうぞお気軽に~」ってね!


でも そのほとんどが、家屋内を見せてあげる代わりに 何か買ってね (^_-)-☆ 的な 土産屋が多いので、

まぁ 家を見せてもらった代わりに、何かひとつ購入しよう というくらいの 腹積もりでいてください 


身構える必要はありませんが、中には かなりしつこい 俳もいるので、

どうせなら 同郷人の好で、此処で暮らす 日本人の ヨーコさんのお店をお勧めします! 

家の中のみならず、屋上のテラスから パノラマも観れますし、何といっても 日本語が通じる  !(^^)!

 

でなければ 昔ながらの 古き良き アルベロベッロを 彷彿させる、Aia Piccola 地区の家の方が

本物!って感じがして良いかもです (^。^)y-.。o○


そんなこんなで お宅拝見! 

家の入口は 決して大きなものではなく、小さめの扉 間口一枚分 

内部に入ると いきなりリビングが! 

窓がないのに 明るく感じるのは 白壁のおかげ?

決して広くはない空間なのに、解放感を感じるのは 高い高い トンガリ屋根のおかげ?


そして そのリビングに隣接して 別の部屋…  台所だったり、寝室だったり…  が あります


家具を入れると 室内が狭くなるので、分厚い壁を削って 棚代わりに利用したり、 

調理器具も ニンニクや乾燥トマトも、みーんな 吊るして スペース有効利用! 

寝室も、昼間 有効活用できるように ベッドが壁に収納できるタイプだったり…

と、あちらこちらに 生活の知恵が 垣間見れます 


天井を見上げれば、スレート状に積み上げた石灰岩の上に 要の飾り石が置かれているか、

もしくは 窓ガラスが嵌められていて、唯一の採光部分が 室内を明るくしてくれています 

時には、トンガリ屋根までの空間  屋根裏部分に 梯子を使って上り下りし、

納屋や、子供部屋に使ったりもします


でも ここで暮らすのは、 意外に大変そう~

例えば、今時の 大きな家具が入らない💦 最新式のシステムキッチンも設置できない 💦

部屋と部屋の間の 仕切りがなく、カーテンなどで仕切るため、家族とはいえ プライベートがない💦

などなど・・・(*_*;

現実を知らぬまま、おとぎの国として 夢見心地でいた方がいいのかなぁ~?!



  

アルベロベッロ 1

とんがり屋根の メルヘンチックな町 


アルベロベッロ… 

舌を噛みそうな、妖怪人間を思い出すような (例えが古すぎ?)   とにかく奇妙な地名ですが、 

その意味は、Albero (アルベロ)=木、 Bello (ベッロ)=美しい、 直訳すると 「美しい樹木」 

アルベロベッロに そんなに美しい木があるかって? ん~ なくはないかもしれません… 


例えば 周辺に広がる オリーブ園では、樹齢の古いオリーブの樹々が 大地に根を下ろしています 


サクランボ園では、春になると 見渡す限りの 桜  桜  桜 それはそれは見事です 🌸 🌸 🌸


んんん…  しかし 上記はいづれも 農園であって 「美しい樹木」 とは違う ?! 

なんでもその昔、美しい樫の林があったことから 名付けられた ともいわれています  


ともあれ “アルベロベッロ” の 代名詞といえば  “とんがり屋根のメルヘンチックな町” ですよねぇ~ 💛


高速道路を外れ、アルベロベッロに向けて、左右に広がる農園を 眺めながら 走っていくと、 

道路の境界に 低い石垣が 目に付き始めます 

この石、この辺りの地を掘ると ゴロゴロ出てくるんですよ !  

ゴロゴロ出てくる石で 垣を築いただけという 簡単なものですが、利用価値高いですよネ! 

(ふと 沖縄地方の サンゴの石垣を 思い出しました) 


そうこうしているうちに 農園に点在する とんがり屋根のトゥルッロが ぽつぽつ見えてきました

(トンガリ屋根の家、伊語で Trullo トゥルッロ (単数)、Trulli トゥルッリ (複数) と呼ばれています) 


「あーっ! あれがテレビや雑誌で見た トゥルッリだぁーっ! 可愛い~ 💛」  

どんな人でも 思わずニヤけてしまう (*^_^*)  とんがり屋根のメルヘンチックがなせる業?  

こちらはほどんど 子供の遊び場と化していますが… (^^;)

 

この農園トゥルッリもまた この地方で採掘された 石灰岩で造られているんですよ 

納屋または休憩所として 建てられたものですが、建設費も時間も 節約できて 一石二鳥ですね !


イタリアの 昔の家屋って 家を造る石や土 (煉瓦) の材料も みーんな地産なんですよね 

だから その地方の 石や土の色によって、建てる家も、町の色も、独自の風合いを醸し出しています 


さてさて、肝心のアルベロベッロの町ですが、今みたいに観光地ではなかった その昔 

16世紀頃、農地開拓の為に 移住させられた 農民たちのトゥルッリ集落が 建てられたことによります


なんで こんな形をしているかといえば

一説によると、プーリア地方南部では、先史時代から用いられている 建築技術で、

15~16世紀のスペイン支配時代(税の取り立てが厳しかった時代) 

漆喰モルタルを使った家のみが 課税されるというので

(法の網目を潜って?) モルタルを使わない、ただ石を重ねただけの家を建て

ある日 徴税人がやってくると すぐさま屋根を解体してみせたとか~  


で、このトルッリ、どうやって造られているかといえば

壁には 大きなブロック石を 円筒状に積み重ねていき、表面は漆喰仕上げ、その壁の厚さは なんと 1m! 

一方、屋根部分は 2重構造になっており、内側には 少し小さめの 壁同様の石を、

外側には Chiancarelle (キアンカレッレ) という 水平に剥がれやすい石を、

垂直方向に 少しづつ前面に出すように 円錐形に積み重ねていくと、円錐形の屋根の 出来上がり!

そして最上部、要の部分に 「ピンナコロ」 と呼ばれる 飾り石を載せて完成!

部屋1つに対して 屋根が1つ、これらが 幾つか連結して1軒の家となる

つまり 屋根の数だけ 部屋の数がある ということですね!


それにしても 灰色の屋根石と 白い壁石、同じ石灰岩で どうしてこうも色が違うの?

逆に 屋根のほとんどは 灰色なのに、時々 白い屋根を見かけるのは何故?


それは 同じ石灰岩でも 採石される地層の深さで 質が異なるのと、

屋根石は、長い年月 雨風にさらされた結果、 灰色に変色してしまったのです


確かに 最近 修復されたばかりの トゥルッリの屋根石は 白い!

それは 最近 掘り出した & 切り出した ばっかりの石 だからなんですね~

それもやがて 数百年という長い年月をかけて 灰色に変色していくのだそうです

なんだか気の遠くなりそうな話ですが、おとぎの国にも 長い歴史があってのことだと 痛感させられます


今 このトゥルッリを造る職人さんが どんどん減っていて、修復維持にも支障を来しているとか…

これまた 長い歴史と文化、それを継承することの大変さを 改めて感じさせられますね


とはいえ やっぱり トゥルッリの家は 可愛らしい  💛


トンガリ屋根に描かれている 絵もまた 可愛いモード上昇 ♡💛

これらの絵には 原始的、魔術的、宗教的などの意味があるのだそう 

今現在 ここには 約1500軒ほどのトゥルッリが残っていて、それらは 1996年 世界遺産に登録されました


次回は トゥルッリの 内部を 覗いてみましょうね!

ナポリの台所 モンテサント地区


ヨーロッパの青空市場といえば、

フランス・パリなどにある お洒落なマダムが バケットを片手に 買い物をする

というような 小奇麗なマルシェを 思い浮かべていませんか? 


北部・中部イタリアなら それらしい市場もありますが 

ナポリのは かなり事情が異なり、もっともっとエネルギッシュで 活気に満ち溢れています

その代表が ナポリで最も古い モンテサント地区にある市場


まず目に飛び込んでくるのが、鮮魚店 🐟

ナポリ湾近郊で漁獲された 魚介類が 所狭しと並べられています 


漁師さんらしい濁声で、まるで怒鳴っているか、喧嘩でもしているかのような 大声で

鮮魚を 売りさばいていきます 

「セニョーラ、生きのいい イワシが入ってるよ! 今日は唐揚げでどーだい?」

そんな声に負けじと ナポリのマンマも しっかり品定めしつつ あれこれ注文していきます  


それにしも どれもこれも 生きの良いこと!  

アサリなど 噴水のごとく ぴゅーぴゅー水飛ばしてます ⛲ 

日本でお馴染の魚もあれば、そうでないものもある 🐟

そしてそのほとんどが 丸ごとのまんま 🐡 

魚捌きが得意な人なら良いけれど、そうでない人はどーするの? 

ご心配なく! 

うろこは勿論、内臓も取ってくれるし、料理方法に合わせて 3枚卸にだって してくれます 


もうすでに ナポリ感 満載 でしょっ? (^_-)-☆


鮮魚店が軒を連ねる向かいに、八百屋さんがありました

決して お洒落な 盛り方では ないけれど、その分 とにかく安そう!

そうなんです!  これらの標示価格のほとんどが 1㎏の値段なんですから~ 

こちらは狭いスペースを有効活用した 壁掛けスタイルの八百屋さん?


こんどはお肉屋さん

なんだか グロテスクな肉が ぶらさがってるどーっ!

こっちはトリッパだぁ~っ!

プロシュートにパスタも・・・


そして… 驚くなかれ! 売っているのは  なにも食料品だけではない!

衣料品から 子供のおもちゃまで とにかくないものはない! 

いやぁ~ これぞナポリ  ナポリ人! という光景が見れましたねぇ~


ついついナポリ人に混じって 買物したくなりますが

ここでは 売ってる品々、その売り方、買っていくマンマ の様子を 見て 楽しむだけにしておきましょう

お財布は開けない方が良いかもよん?!


祝 復活祭 Buona Pasqua !

ソレントの「オリーブ小枝の祝福」 


復活祭は、キリスト教の国では クリスマスに次ぐ 大切なイベントで、 

春分後の満月直後の日曜日、つまり毎年3~4月にあたる 移動型祭日ですが、 

ちょうど 春を告げる祭でもあり、

受難の金曜日から 復活祭翌日の月曜日を絡めての 大型連休でもあり 

これを機に 人々が、町が、活気づいてきます 


さて、復活祭のシンボルといえば「卵」というのは、よく知られていますよね

実際 この時期になると 各地・各店で 卵型チョコレート商戦が 始まります 

あの「Lindt リンツチョコ」も頑張っていますよ! 


卵型チョコの話はさておき、復活祭のもう一つのシンボル  何だと思いますか? 

それは「オリーブ」



オリーブは、鳩と同様 平和の象徴とされています 

旧約聖書の「ノアの箱舟」編で触れていますが、4千㍍級の山も 呑み込んでしまうほどの大洪水の後、 

飛び立った鳩が 嘴にくわえて戻ってきたものが オリーブの小枝でした 


余談ですが 、オリーブをくわえた鳩:平和の象徴 

(「ピース (平和)」という名の タバコの ロゴに使われていたの ご存知ですか?)  


また イエスキリストのエルサレム入城の際、オリーブの小枝を手にした市民が 出迎えたと云われています 


そんなことから 復活祭の1週間前の日曜日 聖枝祭には  

教会で 祝福されたオリーブの小枝を 御裾分けしていただけるのです 

それを来春まで 家に飾り 大切にとっておきます

まるで 絵馬みたいですね(但しオリーブは無料ですが.....(^-^;)  


前置きが長くなりましたが、このオリーブの小枝の祝福の 習慣の他に 

ソレントでは、特別な「オリーブのコンフェッティ」が有名です 


コンフェッティとは、アーモンドを 糖衣で被せたお菓子で、 

イタリアでは 祝い事 (結婚式、子供の誕生、洗礼式など) の引き菓子として、 親しい人たちに配ります  

アーモンドは 不滅の愛の象徴でもあり、1本の木に 多くの実をつけることから、子孫繁栄の象徴でもあるとか~

そして コンフェッティの歴史も なんと紀元前からあるというから びっくり! 


さて そのコンフェッティを使った ソレントの「オリーブの小枝の祝福」とは? 


伝説によると 今から5百年前、イスラム軍が侵略してきた 復活祭の ある日のこと 

難破したトルコ軍の船から逃れた少女が、ソレントの海岸で 漁師に助けられました 

救済の御礼に 少女が オリーブの小枝の形をした コンフェッティを 祭壇に捧げたのが始まりとされています  


少女がもたらした「オリーブの小枝の祝福」コンフェッティは、5百年経った今でも 受け継がれています


卵型チョコと違って 心のこもった手作り感がありますし、ずーっと飾っておきたい美しさ 🌸


来年は このオリーブのコンフェッティ作りに挑戦してみたいものですね  

復活祭前の 聖金曜日

キリスト受難の金曜日

いきなり この白頭巾の被り物の 奇妙な写真は何?

復活祭じゃなくて カーニバルの間違いじゃないの?と 思われたのでは?

これは おふざけではなく れっきとした 復活祭前の 儀式なんですよ


ところで 復活祭って なにか ご存知ですよね?

イエスキリストが 今から約 2千年前 (4月13日の金曜日と云われている) に、磔刑により 命を落としましたが、

3日後に復活し 我々の救世主になってくれた!

それをお祝いする お祭りというわけですが、喜んでばかりいられない

だって 我々の為に 犠牲になってくれたからこそ 後日 復活したわけですから~


ここソレント地方では、復活前の イエスキリストの受難の 痛みを分かち合う 儀式が 

500年以上前の昔から 伝統的に行われています


まずは 木曜日の夜  受難のキリスト および 聖母マリア様の心痛を思う儀式

教会でのミサの後、白装束&白頭巾の隊が 

まるで御経のような 一本調子の 暗い聖歌を 唱え乍ら 町を練り歩きます

美しい旋律の 賛美歌に 慣れている我々にとっては、ちょっとびっくりです


町の街灯も、家々の灯りも、ほとんど真っ暗状態にして 人々は この苦しみを分かち合います


翌金曜日の夜は、十字架から降ろされたイエスキリストを 葬る為の儀式

この日は、前日の白装束に替わって、黒装束&黒頭巾で より一層 深い悲しみに包まれます

キリスト教信者でない私達でも この儀式を目前にすると 胸が締め付けられる思いがします

そんな辛い経験があっての 復活祭、3日後の喜びも ひとしおです 💛


一方 イタリアの首都 ローマでは、毎年 古代円形競技場:コロッセオにて 

世界中から多くの信者が 集まる中、ローマ教皇の下 聖金曜日のミサが行われました

カンティーナ(ワイナリー)

Mastroberardino マストロベラルディーノ

Mastroberardinoといえば、 カンパニア州を 代表するカンティーナで

”南伊のバローロ”と称される「Taurasi タウラージ」が 有名ですね


普通 我々が想像するワイナリーといえば、ブドウ畑の真ん中にあるというのが 一般的ですが

こちらは Atripalda という アヴェリーノ県内の 小さな町中にあり

辺りを見渡しても ブドウ畑は一切見えず。。。   ん? 大丈夫なの???

申し訳ないけど ちょっとテンション下がっちゃうかも~

でもそれには れっきとした 理由があるのです


1770年代からここでワイン製造しており、当時は辺り一面の田園風景でした

それが250年の間に 田畑が失われ、周辺の様相がすっかり変わってしまったのです

逆をいえば、250年間 ずっと変わらずにいるのが カンティーナの方ですね

周辺の様変わりは ちょっと残念ですが

先祖代々 この地で継承してきたワイン造り 移転するつもりはないようです


もし Mastroberardino のブドウ畑が見たい方は、車で30分走った丘上にある

当社経営のレストラン Morabianca で、優雅な時を過ごされてはいかがですか?


さて、内部見学に入りましょう!

早速 山積みの ワイン樽が 出迎えてくれました

直径2mの大樽も!


こちらの大理石アーチは、創業当時から 正面玄関にあったものですが

1980年 この地域を襲った大地震で損壊した為、修復後 内部に設置されています


奥のドーム型天井には、美しい天井画が!

題材は、酒の神バッカスと アリアンナ (アリアドネ) の結婚式


昔々に活躍した圧搾機


地下のセラーには、秘蔵ワインが眠っています

90年前のワイン どんな香りと味がするんだろう~ 味わってみたーい 💛


ポンペイ遺跡ワイン「Villa dei Misteri 秘儀荘」も!

ポンペイ遺跡内のとある箇所で、紀元79年の ヴェスビオ山噴火で埋没するまで

ワイン製造の為の ブドウ栽培をしていたことが、発掘調査により判明

遺跡考古学管理局と Mastroberaridino の協力のもと

2千年前の造り方を再現するべく プロジェクトが立ち上げられ 出来たワイン

ワインの名は 等身大の壁画があることで有名な「Villa dei Misteri 秘儀荘」から名付けられました

収穫量が非常に少ないので、希少価値の高いワインです

詳しくは、また後日 ポンペイ遺跡の項で ご案内しますね


さあさあ! 待ちに待った試飲の時間でーす 🍷

4つの試飲コースの中から、今回は最高峰の Prestige にトライしました

左から

More Maiorum Fiano di Avellino 2011

Greco di Tufo Vintage 2007

Radici Taurasi 2011


うむふ~ いつも飲んでるのと微妙に異なり どれも美味しい~ 💛

特に 度肝を抜かれたのが More Maiorum という名の Fiano di Avellino

正直 南伊の白ワインとは思えないほど、上品で 気品溢れ、Fiano の常識が みごとに覆されました

(試飲した分でも ボトル熟成 既に6年経ってる それどころか 30年以上イケるらしい!)

更に びっくりなのが、信じられない安さ  

こりゃもう大人買いするしかないっしょー! 1ケース木箱でお買い上げーっ!


他に、同じ Radici Taurasi でも、標高の高い地で栽培したもの、

地層の違う地域のものをブレンドしたもの、樹齢が40年を超えるものなど

250年に及ぶ 伝統と継承、長年の経験により培われた 製造方法で 作り上げられた ワインが勢揃い!


南伊ワインは、北のそれに比べ 評価が低いけれど、なかなか侮れませんぞ~

やっぱりワインは奥が深いな~と しみじみ思ったのでした


ナポリ歴史地区 6

官庁街 Galleria Umberto I  ウンベルト1世アーケード

ナポリのオペラ座「サンカルロ歌劇場」の正面玄関の向かいに、目を見張る程 美しいアーケードが!

「アーケード」というより、イタリア語の「ガレリア」の方が 相応しい 壮麗な建造物ですね


19世紀後半、区画整理の一環として 建てられることになりました

イタリア統一されたのが1860年、斯くも 明治維新と時を同じくしていますが、

ちょうど 世の中が 変わろうとしていた時であり

また ガラスと 鉄を使った建物が 1番モダンと された時代でもあり

まさにその時代の象徴、ナポリで最も美しい 空間・建造物です


ガレリアは ラテン十字型をしており、4方向に延びていて それぞれに出入口があります

各出入口の上方には、外側には 四季の、内側には 4大陸の、寓意リリーフ彫刻が 見て取れます

(余りにも高い位置にあるので、うまく写真が撮れませんでした ゴメンナサイ 🙇)


十字の交差した上方部分には、140年前のものとは思えない モダンなガラスと鉄のクーポラが!


そして クーポラの真下には、モザイクで彩られた 王道12星座が~

12よりも多い 16あるのは 東西南北に それぞれキューピットが 間を挟んでいます


貴方の星座 すぐにみつかるかな? 因みに私は射手座


以前は オシャレなカフェテリアや、 高級ブティックが 軒を連ねていましたが、

家賃が高いのか? ガレリアに相応しくない店が 増えてきているのが ちと残念です


唯一 昔から ここで頑張っているのが、高級セレクトショップ Barbaro


そして ガレリアの 1番長い 西側の軸を進むと…   なにやら人だかりが???

人だかりの先には??? 

ナポリのスィーツだーっ 💛

上から ゼッポラ、スフォリアテッラ、ババァ (苦笑)、プロフィッテロール 等々…


ナポリは 王国だっただけあって、スィーツも充実してまーす!

それに安い!!!

ここはいつだって行列が絶えない、人気の店!

あ~ 全部食べてみたーい! 滞在中に 全部 味わえるかしらん~?




ナポリ歴史地区 5

ナポリの玄関口 官庁街 ヌォーヴォ城(新しい城) 

我々は、サンタルチア地区から 歩を進めてきたので、紹介が 後になってしまいましたが、

今も昔も ナポリの玄関口である この場所に聳え立つ 新城は、まさしくナポリのシンボル!


もともと13世紀に建てられた城なので、”新しい”どころか、”古い城”と名付けたいくらいですが、

もっと古いお城が 他にあるので、こちらを「Castel Nuovo:カステル ヌオーヴォ:新しい城」と呼びます


ですが 地元ナポリっ子は、創建者である フランスの アンジュ家に因んで こう呼びます

「Maschio Angioino : マスキオ・アンジョイーノ:アンジュ家の櫓(maschio = 力強い、雄々しい)」

この呼び名の方が しっくりするというか、なんだか カッコイイじゃん !?


現在 目にする城の姿は、15世紀に そのアンジュ家を倒し、ナポリを支配した スペインの 

アラゴン家によって 改築されたもので、アンジュ家時代の遺産は、内部に僅かに残るのみです


城を取り囲むように 配備された 5本の城塔は、よく見ると その1本1本が異なった様相をしており、

近くで見れば見るほど その大きさに圧倒されます

港の近くにそびえる Beverello の塔


さて、内部に入る前に、正面玄関の 凱旋門を 観察してみましょう

灰色の 火山岩でできた 城塔の間に 取り付けられた 2段アーチの大理石凱旋門は

15世紀、スペインの アラゴン家 アルフォンソ1世の 勝利を記念して建立されました


真ん中の 浅浮彫り彫刻に ご注目!

アルフォンソ1世が、天蓋付きの馬車に乗って ナポリ入場する様、まさしく ”凱旋門” ですね


そして 凱旋門をくぐり抜けると、いきなり 穴の開いた青銅の扉が! なにこれ?

これは 15世紀のある戦いで被った 砲弾の跡 なんだか生々しいですね…

この扉はコピー版で、オリジナルは博物館に展示されています

砲弾の跡は これだけではなく、地下鉄駅側の 外壁にも残ってますから、覚えていたら見てみてくださいね


因みに、ここまでは 無料で見れ、この先は入場料 (€6) が必要です


内部に入ると中庭が、そこには アンジュ家時代の名残、パラティーノ教会の バラ窓が見えます (内部修復中)

内部には ゴシック時代の巨匠、ジョットによるフレスコ画が 僅かに残っています (現在修復中)

ジョットはトスカーナ出身ですが、こんなところでも 活躍していたんですねぇ~


中庭から 左手奥の階段を登ると「Sala dei Baroni:男爵の間」が、

ルネッサンス期に建設された この部屋の 天井が素晴らしいんです!

中央に 丸窓を配した リブ・ヴォルトが美しい! 数少ない ナポリの ルネッサンス芸術です


その他に、昔 牢獄として使われた部屋 (ワニがいたとか?)、2つの教会、回廊、

城や教会から収集された、絵画や 彫刻が 展示されている 市立美術館などがあります


見学方法は ちょっと複雑で、ナポリ市がやっている 市立美術館と 男爵の間 (現在市議会室) などの見学コースと

それとは別に 城専属のガイド付きで 城の淵や、城塔の螺旋階段、牢獄などを見学するコースなどがあります


会館日時:月曜~土曜 8:30~19:00、 日曜祝日:9:00~14:30